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There I sense something /Yumi Terauchi/寺内ユミ

8,800 JPY

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「本とは、物である」 ということを強烈に突きつけられた。 その本を前にして、普段どれほど自分が「何が書いてあるか」にフォーカスしているか、ということを認識せざるを得なかった。 これはプロダクトデザイナー寺内ユミさんによって2022年4月に発行された『There I sense something 』を開いた時の、率直な感想だ。 虚屯出版にふらりとご来店された寺内さんは、最近出版されたというその本について話をしてくれた。その本を見るまで、寺内さんが意図するところの「アートブック」がどんなものか想像できていなかったけど、包みから出されたその瞬間に鳥肌がたった(比喩ではない)。 「これはアートブックだな」と思った。失礼ながら寺内さんがどんな方なのか、その時はよくわかっていなかった。ただページをめくりながら、寺内さんがプロダクトデザイナーであることやこの本に込めた思いを伺いながら、また何度も鳥肌が立つという体験をした(比喩ではない)。 これはわずかな疑いもなく「本」である。が、わたしにはそれ以上に工芸作品のように感じられてならなかった。細部まで丁寧に設計され、それが再現されていることはその佇まいからじっくりかつしっかりと伝わってくる。そしてさらに写真と、そのページ構成に目を向けると、さらにその奥行きを体感することになる。 本書は、これまで寺内さんが手がけてきたさまざまな日本の工芸品を収録したものである。ただし、作品そのものだけにフォーカスするのではなく、その背景や軌跡/ストーリーを感じさせる作りになっている。日本固有の風土、日本人が暮らしの中で目にしている景色、美しいと感じるもの。そこから生まれるものづくりとしての、工芸。一つの作品が美しくあるための物語の舞台を旅しているような本、と言っても言いすぎている感じはしない。 一冊の本として、どの角度どの方向(モノとしてでも内容としてでも)から触れてもその奥行きを感じざるを得ない。帯に隠されたあれとか、綴じ方に込められた意味とか、面白いポイントは書けばキリがないので、ぜひ手にとってじーっくりと味わっていただきたい。できれば感じたことを相互共有したい。出会えたことに感謝したい。素直にそう思わせられる本である。(濱門) 企画:寺内ユミ 写真:越谷喜隆 ブックデザイン:宮添浩司 翻訳:ココ マスダ 編集協力:石倉夏枝 発行:寺内デザインオフィス 本のサイズ:A4変形(210mm×275mm×35mm) ページ数:184P、帯の裏に本書の解説 発行日:2022年4月22日

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