アーティスト・太田るなシャワが2022年より滞在した黄金町アーティストインレジデンス中に作成した冊子。 ガーデナー、劇作家、漫画家など17名による「食」「味」をテーマにしたオムニバス構成されている。掲載内容は短編小説などのテキストやドローイングや写真…などなど多種多様。（おそらく）リソグラフを用いた独特の印刷で、その風合いも含めて表現濃度が高い。言い方を変えると、プロダクトアウト度合いが強くてそこに吸引力があるように思う。 現在では「完成度の高い製品」が誰でも気軽に作れる環境が整っている。「売れそうなもの」を作るノウハウは簡単に手に入る。そんなものばかりに囲まれて暮らしていると「表現したい」という気持ちが全面に出ているようなものに強く惹かれてしまうのは、わたしだけだろうか。人間の生々しい表現に触れる喜びを感じる機会は、もっとあっていい。 著者：太田るなシャワ サイズ：A4（210×297mm） ページ数：76ページ